自分を守ってくれる不思議な曲

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みなさんこんにちは。
今回はカッチーニのアヴェ・マリアとの関わりについてお話します。

まりは教会音楽

西洋音楽史を教えるときに「教会音楽」に触れます。

神への祈り(祈祷)のための音楽を教会音楽と言い、
祈祷文を歌詞にして歌が誕生していきました。

最初は単旋律(モノフォニー)といって1つの声部を歌い続ける形でしたが、
ハモらせる複旋律へ発展していきます。

多声音楽といって声部が1つから3、4と増えていったり
西洋の音楽は教会音楽から発展していきました。

音楽が複雑になってくると、今まで口伝えや指の節をつかって
歌を伝えるという方法では間に合わなくなり、楽譜・音符が
誕生します。

今、聴いている音楽は様々な音や旋律が重なっていて、
楽譜や音符も完成されていますが、
キリスト教、教会音楽が深く関わっているというわけです。

アヴェ・マリアは聖母マリアに対しての祈祷で
よく訳されるのは「おめでとう、マリア」ですね。

西洋の作曲家の多くがマリア様への祈りを
作品に残しています。

有名な人物ではドイツ歌曲の王、シューベルト。
「エレンの歌 第3番」として作られましたが
曲中にマリアに祈りを捧げる、という歌詞があることが話題になり
ラテン語版の祈祷文に差し替えて誕生したと言われています。

バッハとグノーの場合は
バッハの曲にグノーが祈祷文を合わせた合作です。

ここまでの作品は歌詞があるわけですが
カッチーニのアヴェマリアには

「ave Maria」

この言葉しかありません。
アヴェマリアとずっと繰り返されるのが最大の特徴です。

ッチーニの謎

私がカッチーニのアヴェマリアを演奏するようになったのは
2017年からだと思います。

須川展也先生の演奏を聴いて、私もいつか演奏したいと思い続け、
同じアレンジの楽譜が出版されたときは本当に嬉しく思いました。

まず最初に演奏したのは、自分の音楽教室の発表会のラスト、
講師演奏でした。

その時に作者について調べてみたら…

作曲したのはカッチーニではなく現代の作曲家
ウラディーミル・ヴィヴァロフというロシアの方とのこと!

ヴィヴァロフさんは、自分の作品を、
過去の作曲家の名前で発表しちゃうという方だったらしいのです。

私はラフマニノフやチャイコフスキーなどロシアの作品が大好きなので、
なるほど!納得と思いました。

リアのような女性

ちょうどカッチーニを演奏し始めた2017年に、音楽教室の生徒さんのご主人が亡くなり、
後を追うように昨年2019年に、奥様である私の生徒さんが亡くなりました。

2017年の発表会で演奏した私のアヴェマリアをもう一度聴きたいと奥様からのリクエストで、
その年の10月のリサイタルで演奏しました。

私もとても好きな曲でしたので、機会がある度に演奏してきたつもりでしたが、
その後、その生徒さんに実際に聴いていただけたのは何回もなかったかもしれません。

昨年5月に生徒さんが亡くなったのは
音楽教室の発表会の翌日でした。

入院されていたので、昨年の発表会には出演することはかないませんでした。
3月までは発表会で演奏する「川の流れのように」を練習していたのですが。

発表会の次の日に娘さんから連絡を頂きました。
あまりの衝撃に電話を切った後、しばらく耳が聞こえなくなってしまいました。


連絡をもらったあと時計を見たら、
5:23 くらいで私の部屋の時計が止まっていました。
電池を変える気力もなく、そのまま夕方お家に伺って聞いたのは

「今朝5時20分かな、少し過ぎてたかな、そのくらいの時間に亡くなりました」と。

私の家に知らせに来てくれたのかなと思っています。


不思議なことがもう一つ。


発表会当日、意識がもうろうとする中で、
「今、サックスの音が聞こえたけど、どこだろう」と言っていたそうです。
病院の中なので、サックスの音が聞こえるはずはないのですが、
発表会会場に魂が来ていたのかもしれないですね。

ヴェ・マリアに守られて

こんなに悲しいことがあるのかと、全然立ち直ることもできず夏が過ぎ
10月のリサイタルの季節が近づいてきました。

追悼の意味も込めてカッチーニのアヴェマリアをプログラムに入れていましたが、
思い出してはアンブシュアが崩れて吹けなくなってしまい、
練習にならないこともしばしばありました。

リサイタル当日は、とにかく音と楽譜に集中しようと決めました。
お客様には追悼のアヴェマリアという話は内緒です。

きっと会場のどこかで聴いていてくれると思うけど、
想像してしまうと吹けなくなりそうだったので、
今はすみません!集中します!なんて心で会話したりしていました。

この日は途中から座席を追加したのですが、
一番前になんとも不思議な感じの空席ができていました。
今思うと、特等席で聴いていてくれたのかなと思うのです。

リサイタルが終わると、私はすぐにクリスマスのジャルディーノ伊太利亭の準備に
取り掛かります。
実は亡くなった生徒さんと出会ったのは、伊太利亭のクリスマスディナーです。

伊太利亭では伴奏音源を使っての演奏をしておりますが、
どうしてもカッチーニのアヴェ・マリアを、
出会った伊太利亭で演奏したいという思いがあり、
自分で伴奏を完成させました!
その伴奏を使って、ピアノが無い場所でもお聴きいただけるようになりました。

昨年からお世話になっている、鴨川の宿中屋さんでは、
お客様の多くがカッチーニのアヴェマリアのファンになってくださり、
販売しているこれまでの2枚のCDの、どちらに入っているのですか、と
ほぼ毎回訪ねてくださいます。

残念ながらどちらにも入っていないのですが、
そこで私は考えました!

カッチーニのアヴェ・マリアをレコーディングしよう!

ただ、これまでと同じくらいのボリュームもアルバムを出すには
少し時間もかかりますし、いち早く皆さんにお渡ししたいと思ったため、
ミニアルバムとすることにしました。

今年はこの状況で10月のリサイタルを無期延期とした分、
美人ピアニストの馬場みどりさんにお願いして、
3曲だけレコーディングすることとしました。

私の作った伴奏音源では、冒頭の無伴奏の素敵な旋律を
お聴きいただくことができませんが、
今回のレコーディングでは、もちろん、冒頭は無伴奏で入り、
静かにピアノが入ってくるオリジナルの形です。

現在11月23日の宿中屋さんでの演奏時には、
このミニアルバムをお渡しできるよう準備を進めております。

宿中屋さんとの出会いもすごくスピリチュアル的なものを感じています。
この曲をを通してお客様とのご縁も増え、
私は大きなものに守られていると実感しています。


























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