いたずら

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夏目漱石の「坊ちゃん」 
歯切れの良い江戸ッ子弁たっぷりの文章でリズミカル大好きな本です。

バッタを布団に入れられてしまった”坊ちゃん”先生が学生に談判中のセリフ。

おれだって中学に居た時分は少しはいたずらもしたもんだ。
然しだれがしたと聞かれた時に、尻込みする様な卑怯な事は只の一度もなかった。

仕たものは仕たので、仕ないものは仕ないに極ってる。
おれなんぞは、いくら、いたずらをしたって潔白なものだ。

嘘を吐いて(ついて)罸を逃げるくらいなら、始めからいたずらなんかやるものか。
いたずらと罸はつきもんだ。
罸があるから心持ちよく出来る。

いたずらだけで罸は御免蒙るなんて下劣な根性がどこの国に流行ると思ってるんだ。

金は借りるが、返す事は御免だという連中はみんな、こんな奴等が卒業してやる仕事に相違いない。

全体中学校へ何しに這入ってるんだ。
学校へ這入って、嘘を吐いて、胡魔化して(ごまかして)、陰でこせこせ生意気な悪いいたずらをして、そうして大きな面で(つら)で卒業すれば教育を受けたもんだと癇違いをしていやがる。
話せない雑兵(ぞうひょう)だ。


演奏家の私ですが教師もしています。
学校教育を思うときにこの文章も思い出しています。